糖質が多い果物・少ない果物は?血糖値が気になる方の食べ方を解説

この記事で分かること
果物は健康に良いイメージがある一方で、「果物は糖質が多い?」「糖尿病でも食べていい?」「バナナやぶどうは血糖値が上がりやすい?」と心配される方も多い食品です。
この記事では、糖質が多い果物・少ない果物の目安、血糖値への影響、糖尿病や血糖値が気になる方が果物を食べるときの注意点を、できるだけ分かりやすく解説します。
どんな人向けの記事か
この記事は、次のような方に向けた内容です。
- 健康診断で血糖値やHbA1cが高いと言われた方
- 糖尿病、境界型糖尿病、肥満、脂肪肝が気になる方
- 果物が好きだが、血糖値への影響が心配な方
- 朝食にバナナや果物をよく食べる方
- 果物ジュースやスムージーを健康目的で飲んでいる方
結論の要点
果物は「糖質があるから悪い食品」ではありません。ビタミン、ミネラル、食物繊維、水分を含むため、適量であれば健康的な食生活に取り入れやすい食品です。
ただし、果物の種類によって糖質量はかなり違います。一般的に、バナナ、ぶどう、柿、マンゴー、りんごなどは糖質が比較的多めです。一方で、いちご、キウイ、オレンジ、グレープフルーツ、桃、すいかなどは、100gあたりで見ると糖質が比較的少なめです。
血糖値が気になる方は、「何を食べるか」だけでなく、「どれくらい食べるか」「いつ食べるか」「ジュースにしていないか」がとても重要です。
果物は血糖値を上げる?基本は“糖質量”と“食べ方”で決まります
果物には、果糖、ブドウ糖、ショ糖などの糖が含まれています。そのため、果物を食べれば血糖値に多少の影響はあります。
ただし、果物はお菓子や清涼飲料水とは違い、水分や食物繊維も含んでいます。丸ごとの果物として食べる場合は、ジュースや砂糖入り飲料に比べると、糖の吸収がゆるやかになりやすいのが特徴です。
一方で、同じ果物でも次のような食べ方では血糖値が上がりやすくなります。
- 一度にたくさん食べる
- 食後のデザートとして毎食追加する
- 果物ジュースやスムージーにする
- ドライフルーツを多く食べる
- 夜遅くに食べる
- バナナ、ぶどう、柿などを「少量」のつもりで多く食べる
診療の現場でも、「甘いお菓子はやめています」と言いながら、朝にバナナ、昼にみかん、夜にりんご、さらに野菜ジュースや果物ジュースを飲んでいる方は珍しくありません。この場合、本人の感覚以上に糖質量が多くなっていることがあります。
糖質が多い果物・少ない果物の一覧
以下は、一般的な果物の糖質量の目安です。食品成分表の「利用可能炭水化物」などを参考に、可食部100gあたりで比較しています。品種、熟し具合、大きさによって差があるため、あくまで目安としてご覧ください。

ポイントは、「100gあたりの糖質量」と「実際に食べる量」は別ということです。すいかは100gあたりでは糖質が多く見えにくいですが、夏場に大きく切って何切れも食べると、結果的に糖質量が増えます。反対に、バナナは1本あたりの糖質量がある程度まとまりやすいため、血糖値が上がりやすい方では量の調整が大切です。
糖質が多い果物の代表例
バナナ
バナナは手軽で栄養価も高く、朝食や運動前の補食としてよく使われます。しかし、糖質量は果物の中では多めです。
特に、朝食が「バナナ1本とヨーグルトだけ」という方は、一見ヘルシーに見えても、血糖値が上がりやすい場合があります。血糖値が気になる方は、小さめのバナナを選ぶ、半分にする、無糖ヨーグルトやナッツと組み合わせるなどの工夫がおすすめです。
ぶどう
ぶどうは一粒ずつ食べられるため、量が増えやすい果物です。シャインマスカットなど甘みの強い品種では、つい一房近く食べてしまうこともあります。
血糖値が気になる方は、袋や房から直接食べるのではなく、最初に食べる分だけ小皿に出すと食べすぎを防ぎやすくなります。
柿
柿は秋に人気の果物ですが、糖質は比較的多めです。特に、毎日1個以上食べる習慣がある方では、秋だけHbA1cが上がることもあります。
糖尿病の診療では、「秋から冬にかけて血糖値が悪化した理由を聞いてみると、柿やみかんが増えていた」ということは実際によくあります。
りんご
りんごは健康的なイメージが強い果物ですが、1個丸ごと食べると糖質量はそれなりに多くなります。血糖値が気になる方は、1回量を半分程度にする、皮つきでよく噛んで食べる、食後ではなく間食として少量にするなどがよいでしょう。
糖質が少ない果物の代表例
いちご
いちごは果物の中では糖質が比較的少なめです。甘酸っぱさがあり満足感も得やすいため、血糖値が気になる方にも比較的取り入れやすい果物です。
ただし、練乳や砂糖をかけると糖質量が増えるため注意しましょう。
キウイ
キウイは糖質が比較的控えめで、食物繊維やビタミンCも含まれています。1個単位で量を決めやすい点も、血糖管理の面ではメリットです。
朝食に取り入れる場合は、無糖ヨーグルトと組み合わせると、果物だけで食べるよりも満足感が出やすくなります。
オレンジ・グレープフルーツ
柑橘類は、丸ごと食べる分には比較的取り入れやすい果物です。ただし、オレンジジュースやグレープフルーツジュースにすると、食物繊維が少なくなり、短時間で糖質をとりやすくなります。
また、グレープフルーツは一部の高血圧薬、脂質異常症の薬、免疫抑制薬などと相互作用を起こすことがあります。内服薬がある方は、医師や薬剤師に確認してください。
桃
桃は甘い印象がありますが、100gあたりで見ると糖質は比較的控えめです。ただし、大きな桃を丸ごと1個食べると量が増えるため、血糖値が気になる方は半分程度から考えるとよいでしょう。
果物ジュース・スムージーは血糖値が上がりやすい
「果物は体に良いから、果物ジュースも健康的」と考えている方は少なくありません。しかし、血糖値の面では注意が必要です。
果物ジュースやスムージーは、丸ごとの果物に比べて次のような特徴があります。
- 噛まずに短時間で飲める
- 食物繊維が減りやすい
- 一度に複数個分の果物を摂取しやすい
- 満腹感が弱く、追加で食事をとりやすい
- 血糖値が短時間で上がりやすい
例えば、オレンジを1個食べるのはそれなりに時間がかかります。しかし、オレンジジュースなら数個分を数分で飲めてしまいます。これが血糖値にとっては大きな違いです。
糖尿病、境界型糖尿病、脂肪肝、肥満がある方は、「果物は食べるもの、ジュースでは飲まないもの」と考えるのがおすすめです。
ドライフルーツは少量でも糖質が多くなりやすい
レーズン、ドライマンゴー、干し柿、プルーンなどのドライフルーツは、水分が抜けて糖質が濃縮されています。
見た目の量は少なくても、糖質量は多くなりやすいため、「健康的なおやつ」と思って食べすぎると血糖値が上がる原因になります。
特に注意したいのは、次のような食べ方です。
- 袋から直接つまむ
- ナッツと一緒に大量に食べる
- ヨーグルトに毎日たっぷり入れる
- 砂糖でコーティングされたドライフルーツを食べる
ドライフルーツを食べる場合は、最初に小皿に出して、少量にとどめましょう。
血糖値が気になる方の果物の食べ方
1回量を決める
果物は「体に良いから自由に食べてよい」わけではありません。血糖値が気になる方は、1回量を決めることが大切です。
目安としては、次のような量から考えるとよいでしょう。
| 果物 | 1回量の目安 |
| バナナ | 小さめ1本、または通常サイズ半分 |
| りんご | 1/2個程度 |
| みかん | 1個程度 |
| キウイ | 1個程度 |
| いちご | 小皿1杯程度 |
| ぶどう | 小皿に軽く1杯 |
| 柿 | 1/2個程度 |
| 桃 | 1/2個程度 |
実際には、体格、血糖値、HbA1c、薬の内容、活動量によって適量は変わります。
食後のデザートより、間食として少量
食事でご飯やパン、麺類を食べた後に果物を追加すると、糖質が重なって食後血糖が上がりやすくなります。
血糖値が上がりやすい方は、果物を食後のデザートとして毎回食べるより、食事と食事の間の間食として少量にする方が合う場合があります。
単独で食べすぎない
果物だけを空腹時にたくさん食べると、血糖値が上がりやすい方もいます。無糖ヨーグルト、ナッツ、チーズなど、たんぱく質や脂質を少し含む食品と組み合わせると、満足感が出やすくなります。
ただし、ナッツやチーズもカロリーはあるため、体重管理中の方は食べすぎに注意しましょう。
夜遅くは控えめに
夜遅くの果物は、活動量が少ない時間帯に糖質をとることになります。特に、夕食後にテレビを見ながら果物を食べる習慣がある方は、量が増えやすいので注意が必要です。
糖尿病の人は果物を食べてはいけない?
糖尿病だからといって、果物を完全に禁止する必要はありません。大切なのは、血糖値の状態に合わせて、種類と量を調整することです。
ただし、次のような方は主治医に相談しながら調整した方が安心です。
- HbA1cが高い状態が続いている
- 食後血糖が大きく上がりやすい
- インスリンやSU薬を使用している
- 腎臓病があり、カリウム制限を受けている
- 中性脂肪が高い、脂肪肝がある
- 体重を減らす必要がある
- 果物を毎日かなり多く食べている
特に腎機能が低下している方では、果物に含まれるカリウムが問題になることがあります。血糖値だけでなく、腎臓の状態も含めて判断する必要があります。
よくある質問
Q. 朝バナナは血糖値に悪いですか?
朝バナナそのものが悪いわけではありません。ただし、バナナは糖質が比較的多めの果物です。血糖値が上がりやすい方では、1本丸ごとよりも半分にする、無糖ヨーグルトと組み合わせる、他の主食量を調整するなどの工夫が必要です。
Q. みかんは何個までなら大丈夫ですか?
血糖値が気になる方では、まずは1回1個程度を目安に考えるとよいでしょう。冬にこたつで2個、3個と続けて食べると、思った以上に糖質量が増えます。
Q. いちごは糖尿病でも食べやすいですか?
いちごは果物の中では糖質が比較的少なめで、量も調整しやすいため、糖尿病の方にも比較的取り入れやすい果物です。ただし、練乳や砂糖をかけると糖質が増えるため注意が必要です。
Q. 果物ジュースならビタミンが取れるので良いですか?
ビタミンを取れる面はありますが、血糖値の面では丸ごとの果物より注意が必要です。ジュースは噛まずに短時間で飲めるため、糖質を一気に摂取しやすくなります。血糖値が気になる方は、果物はジュースではなく、丸ごと食べることをおすすめします。
Q. 果物は食前・食後・間食のどれがよいですか?
血糖値が気になる方では、食後のデザートとして主食に追加するより、間食として少量食べる方が合う場合があります。ただし、薬の内容や血糖変動によって個人差があります。血糖測定や持続血糖測定をしている方は、実際の血糖変化を見ると分かりやすいです。
まとめ:果物は「種類」よりも「量」と「食べ方」が大切です
果物は、糖質を含む食品です。そのため、血糖値が気になる方では食べ方に注意が必要です。
一方で、果物にはビタミン、ミネラル、食物繊維、水分も含まれており、適量であれば日々の食生活に取り入れることができます。
血糖値への影響を考えるうえで大切なのは、次の5つです。
- 糖質が多い果物は量を控えめにする
- 果物ジュースやスムージーは避ける
- ドライフルーツは少量でも糖質が多いと考える
- 食後のデザートとして毎回追加しない
- 血糖値、HbA1c、体重、薬の内容に合わせて調整する
にしな内科では、糖尿病、境界型糖尿病、脂肪肝、肥満症、生活習慣病の診療の中で、患者さんの普段の食事内容を確認しながら、無理なく続けられる食事の工夫を一緒に考えています。
「果物をどれくらい食べてよいか分からない」「健康診断で血糖値が高いと言われた」「HbA1cがなかなか下がらない」という方は、お気軽にご相談ください。
監修・執筆
にしな内科 院長 仁科 周平
日本内科学会認定内科医/糖尿病・内分泌領域を中心に、生活習慣病、甲状腺疾患、肥満症、一般内科の診療を行っています。地域のかかりつけ医として、検査結果だけでなく、患者さんの生活背景に合わせた分かりやすい説明と継続しやすい治療を大切にしています。
にしな内科
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院長:仁科 周平 医師紹介
