バセドウ病の症状・診断・治療法|専門医が徹底解説
このブログでは、バセドウ病と診断された方々に向けて、病気の基本的な情報や治療法について詳しく解説します。
バセドウ病とは?
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。甲状腺は、首にある臓器で、甲状腺ホルモンを生成し、体全体の代謝や体温調節、心拍数の調整に重要な役割を果たしています。
バセドウ病では、脳からの指令がないのに甲状腺が過剰にホルモンを作り出してしまうため、体の機能が過剰に働いてしまう状態になります。
症状
バセドウ病の主な症状には、以下のようなものがあります。
- 動悸や頻脈:心臓が通常よりも速く鼓動するため、心拍数が増加します。
- 発汗と体温上昇:ホルモンの過剰分泌により、異常な発汗や体温の上昇が見られます。
- 体重減少:食欲が増しても、体重が減少することがあります。
- 倦怠感:全身の疲労感やだるさを感じることが多いです。
- 手の震え:特に指先が震えることがあります。
また、目の突出や視覚障害を伴う「バセドウ眼症」という症状も4人に1人の割合で見られます。
診断方法
バセドウ病の診断は、主に血液検査と超音波検査で行われます。血液検査では、甲状腺ホルモンの値や抗体の有無を調べます。
超音波検査では、甲状腺の状態や血流を確認し、病気の進行具合を評価します。
治療法
バセドウ病の治療法には、主に以下の3つがあります。
- 内服治療:抗甲状腺薬を使用して、甲状腺ホルモンの生成を抑える治療法です。治療には時間がかかることが多く、副作用を考慮する必要がありますが、完治が期待できる場合もあります。
- 放射線治療:甲状腺の機能を抑えるために、放射性ヨウ素を使用します。治療後は生涯にわたり甲状腺ホルモンの補充が必要になります。
- 手術:甲状腺の一部または全部を切除する手術です。完治の可能性が高い一方で、手術後は生涯に渡り甲状腺ホルモンの補充が必要になります。
妊娠中・授乳中の治療
妊娠中や授乳中のバセドウ病治療には特別な注意が必要です。抗甲状腺薬の一部は胎児や乳児に影響を与える可能性があるため、治療計画を慎重に立てる必要があります。
治療中は、必ず担当医と相談しながら進めてください。
実際の治療例
当院で治療をした患者様の1例を報告します。ある38歳の女性患者は、3ヶ月間続く動悸や手の震えに悩み、バセドウ病と診断されました。内服治療を開始し、概ね3ヵ月でホルモン値は正常化、治療開始2年後には薬を中止することができ、再発もなく安定した状態が続いています。このように、症例によっては薬のみで完治し、最終的に薬を中止できるケースもあります。
まとめ
バセドウ病は、しっかりとした診断と適切な治療によって、管理が可能な病気です。もし症状に心当たりがある場合は、早めに医療機関を受診し、専門医に相談することをお勧めします。
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