SAS x Online睡眠時無呼吸症候群外来
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オンライン診療

オンライン診療の流れ

当院の睡眠時無呼吸症候群外来ではオンライン診療で検査から治療導入に至るまですべて対応可能です。診療の流れは以下の通りです。オンライン診療を行う前に、Clinicsアプリのダウンロードと保険証・クレジットカードの登録が必要になります。

睡眠時無呼吸症候群
(Sleep apnea syndrome ; SAS)について

SASは成人男性の約5%、女性の約3%程度にみられ、男女ともに中年期以降に増加することが知られています。特に様々な原因(肥満、扁桃肥大、鼻炎・鼻中隔弯曲といった耳鼻科の病気、あごが小さいこと等)で空気の通り道が狭くなって起こる「閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea ; OSA)」では日中の強い眠気、高血圧、糖尿病、将来的な心臓・腎臓の病気の重大なリスクとなることが知られています。特にSASを中心とした悪循環に陥った状態では、糖尿病をはじめとする生活習慣病の治療もうまくいきません。睡眠の質を向上させこれらのリスクを予防する治療が必要です。

SASの症状について

  • きちんと寝ているのに日中にひどい眠気を感じる
  • 居眠り運転をしてしまった。
  • 家族に大きないびき、無呼吸を指摘される。
  • 寝ているときにトイレで何度も起きる。
  • 早朝に頭痛が多い。
  • 肥満があり、高血圧の薬を飲んでも血圧がなかなか下がらない。

SASの検査

まずはご自宅へ簡易検査機器を持参し、使用説明と装着を行います。検査終了後、機器を回収し解析を行います。本検査の費用は負担割合3割の患者さんで約2700円です。簡易検査で重症であること(無呼吸低呼吸指数 AHI 40回/時間以上)が判明すればこの時点でSASであると判断され、後述するCPAP療法が保険適応となります。簡易検査で診断が不確かな方には、再検査や1泊2日入院での精密検査PSG(ポリソムノグラフィー検査)を行います。

実際の検査データ

SASの治療

最も効果的で頻用されている治療はCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)です。寝ている間に専用のマスクを装着し、空気を送り込んで睡眠中に気道が塞がらないようにする治療法です。治療により日中の眠気・夜間頻尿・早朝頭痛などの自覚症状の改善、高血圧の改善、体重の減量など良い効果が期待できます。マスクのフィッティング不良など治療開始後に起こるトラブルへの対応が必要になってきますので、当院で継続的にサポート致します。本治療の費用は負担割合3割の患者さんで受診費用も合わせて1月あたり約5000円です。

CPAP以外の治療方法は以下の通りです。治療と並行した生活習慣の見直しも重要です。

  • 減量:肥満の方では、減量することで無呼吸が軽減することが知られています。BMI 35以上の高度な肥満患者さんでは減量手術が適応になる場合もあります。
  • 体位の工夫:主に軽症例やCPAPが困難なOSAの患者さんでは、側臥位で改善することを確認した上で指導します。
  • 晩酌や睡眠前のスマホ時間を減らす:アルコールはオトガイ舌筋をはじめとする気道筋の緊張を低下させ無呼吸を悪化させます。スマホの長時間使用も不眠の原因になります。
  • 耳鼻科的手術:アデノイドや扁桃肥大、鼻中隔湾曲症など上咽頭の物理的狭窄があるときに適応となります。QOLの改善と一部の心血管リスクの改善が期待できます。
  • 口腔内装置療法(マウスピース):効果はCPAPよりも劣りますが、使用可能時間は長く、QOLの改善と一部の心血管リスクの改善が期待できます。作成に当たり適切な歯科医を紹介致します。

Q&A

Qオンライン診療だけですか?
A

もちろん対面での診療も行っております。対面診療をご希望の方は診察予約からご予約をお願いいたします。

Q検査・治療対象可能なエリアは?
A

以下のエリアは近日中での対応が可能です。それ以外のエリアの場合は検査や治療機器の調達に時間を要する場合がありますので、事前にご相談下さい。
近日中の対応可能エリア:兵庫県(尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市、宝塚市、川西市、三田市、三木市)、大阪府全域

Q受診の頻度は?
A

CPAPの治療が開始になった方には3月に一度の来院をお願いいたします。そのほかの月に関してはオンライン診療にて対応可能です。

Q睡眠時無呼吸症候群以外の治療も一緒に可能でしょうか?
A

可能です。処方箋をアプリ内で最寄りの調剤薬局へ送信することもできます。ただし血液検査や画像検査(レントゲン、エコーなど)が必要な方は従来通り来院が必要となります。

QCPAP療法のマスクはどんな種類がありますか?
A

代表的なマスクタイプには、ネーザルマスク、フルフェイスマスク、ピローマスクがあります。それぞれどのマスクにも利点と欠点があり、自分に合ったマスク選びが重要です。

QCPAP療法では毎日マスクをつけないといけませんか?
A

もちろん毎日きちんと装着できる方が成績は良好でしょう。ただし、毎日装着するのはとても大変です。まずは月に7割の装着、日々4時間の装着を目標にしましょう。それを達成している人では、治療成績が良かったことが研究で報告されています。

引用文献:Murase K, et al. Ann Am Thorac Soc. 17(3), 2020, 329-37.

QCPAP療法導入後に苦しくて使用できない場合はどうすれば良いでしょうか?
A

まずは苦しいと感じる原因を追究しましょう。代表例がリーク(空気の漏れ)による不要な圧上昇です。また鼻閉の方では加温加湿器なども併用します。導入初期の段階では無理に長時間使用することよりも、短い時間でも毎日使用して慣れていくことから心がけましょう。

Q旅行に行くときにCPAPの機械は持参すべきでしょうか?
A

長期に及ぶような場合は持参することを推奨します。持ち運びに便利な小型機器もありますので、出張が多い方にはそのような機械を導入致します。

QCPAP療法のゴール(治療からの離脱)は可能でしょうか?
A

非常に大切な質問です。無呼吸の原因が主に肥満によるものであれば、減量により改善し離脱できるかもしれません。しかし、日本人の場合、肥満だけではなく骨格(特にあごの発育)の問題もあるためCPAP療法から離脱することはなかなか大変です。CPAP療法は、きちんと行えば副作用も少なく、非常に安全な治療法です。多くの場合、長いお付き合いになります。無呼吸低呼吸が他の治療(マウスピースや手術)や生活スタイルの変化(減量)で無くならない限り、CPAP治療の離脱は難しいでしょう。治療をやめると元の状態に戻るため、脳血管系や循環器系のリスクも再び出現します。CPAP治療を離脱する際は、確認のためにPSG検査を受けていただくようお願いいたします。