糖尿病と便秘💩神経障害の影響と治療法【YouTubeあり】
2023.10 スタッフブログ
だいぶ朝晩過ごしやすい季節になってきましたね
朝晩冷えることもあり、体調崩されていることはありませんか?
今回のテーマは…
“ 糖尿病と便秘 ”についてお話していきたいと思います。
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便秘の重大性
たかが便秘と言われて、これまで重大な病気と考えられていなかった便秘。
しかし近年、国内外の調査研究では、便秘が寿命に影響することが明らかになり、“ 治療が必要な病気 ”と認識されるようになってきました。
実は、糖尿病患者さんにも便秘に悩む方は多く、その治療は生命予後を考えると重要です。
慢性便秘症 ”とは?
今、加齢に伴い、慢性便秘症の患者さんが増加しています。
便秘は大きく2つのタイプに分かれていて、排便回数が週3回未満の「排便回数減少タイイプ」と硬便、過度のいきみ(怒責)、残便感、腹痛や膨満感といった腹部の不快感などを伴う「排便困難タイプ」です。
「自分は便秘じゃない」と思っていても、実は隠れ便秘という場合もありますので、自覚症状がない方でも一度セルフチェックしてみてください。2つ以上当てはまったら、もしかすると便秘症かもしれませんので要注意です!
ブリストルスケールでセルフチェック
セルフチェックしてみましょう
⇧ブリストルスケール 排便状況を確認しましょう
便秘症かどうか ※以下の6項目のうち、2つ以上当てはまると便秘症の可能性あり!
❑排便時に強く「いきむ」 ❑便が硬い ❑すっきりしない、または残便感がある
❑お尻の穴が詰まった感じがする ❑摘便や浣腸をすることがある
❑排便回数が週3回未満
糖尿病と便秘の関係
★糖尿病の場合、どうして便秘になりやすい??
便秘は高齢者や女性に多いことは分かっていますが、実は糖尿病患者さんにも便秘で悩む方が多くいます。
糖尿病患者さんが便秘になりやすいのは様々な要因が考えられていますが、最大の要因糖尿病による“神経障害”です。神経によってコントロールされている腸や胃などの消化器の働きに影響が及ぶためです。
まず、腸の働きを調整する自律神経のバランスが崩れると大腸の働きが弱くなり、便を肛門近くまで運びにくくなります。大腸だけではなく、胃の働きも悪くなることがあり、胸やけ・吐き気・食道逆流などが起こりやすくなります。これらのことから、食事量が低下することで便の量が低下し、便秘になりやすくなってしまうのです。
その他にも、糖尿病治療薬の副作用によって便秘になる場合もあるため注意が必要です!
糖尿病の場合、便秘はどう治療すればいいのか?
便秘が気になったら、まずは糖尿病の主治医に相談することが重要です。
その際、大腸検査などが必要な場合もあります。年齢にもよりますが、
大腸がんや直腸がんで便秘が起きていることもあるので、放置は禁物です!!
まずは良好な血糖値の維持が前提となり、加えて便秘を引き起こす糖尿病治療薬を使用していないか改めてチェックする必要があります。
生活面でも食物繊維を摂ることや、適度な運動も心がけることも大切です。
それでも便秘が改善しない場合は薬物療法を行います。
便秘の治療薬について
便秘の治療薬といえば…
酸化マグネシウムが処方されることが多いですが、腎臓が悪い方や高齢者では高マグネシウム血症という副作用が起きることがあるため、注意しなければなりません!!
また酸化マグネシウムは一緒に飲むと飲み合わせが悪い併用注意薬がいろいろあるので、気を付けましょう。
頓用で内服する便秘薬は、毎日内服すると効きが悪くなるだけでなく、
習慣的・精神的に依存症が出てくるため、調整して内服しましょう。
“たかが便秘、されど便秘”
便秘が気になったら、恥ずかしがらずに早めに医師に相談し、症状が軽いうちに治療を始めていきましょう。
にしな内科・糖尿病内分泌クリニックのYouTube解説
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