セミナーに参加してきました!
2023.7 スタッフブログ
まだまだ蒸し暑い毎日が続きますが、
皆様いかがお過ごしでしょうか?
先日、阪神糖尿病チーム医療セミナー “糖尿病スティグマとアドボカシー ~私たちに何ができるのか~”というセミナーに参加してきました。
枚方公済病院 内分泌代謝内科 糖尿病センター長 田中永昭先生の講演やグループディスカッションがあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。糖尿病の治療に携わっている中で自分の指導や言動を考え直さなければいけないと感じ、とても勉強になりました。
近年、糖尿病医療においても、この言葉が取り上げられるようになり、
私もスティグマやアドボカシーという言葉を多く耳にするようになりましたが、
スティグマやアドボカシーという言葉をご存じですか?
知らない人の方が多いと思いますので、少しお話させていただきます。
スティグマ … 社会的規範から逸脱したアイデンティティを蔑むこと、現代では恥・不信用・不名誉の烙印という意味。ある特定の人に対して否定的な価値を付与すること
アドボカシー …権利擁護 生命や権利、利益を擁護して代弁すること
医療では自分の意思をうまく伝えることのできない患者さんに代わって、意思や権利を代弁すること「患者の擁護」の意味
スティグマは古代ギリシャ時代から使われてきた言葉で
「身体上のしるし」という否定的な概念がその語源にあります。
現在では自分と異なる個性に対して「好ましくないもの」というレッテルを貼り、
社会的アイデンティティを否定することの総称として用いられています。
糖尿病であることによって、就職活動や結婚に際して、また生命保険や住宅ローンの審査の場でこうむる明らかな不利益は、代表的な糖尿病のスティグマです。また無意識のうちに糖尿病である自分をさげすんでしまい、結果的に恥辱や疎外感を抱くことも糖尿病のスティグマと言われています。
2019日本糖尿病協会・日本糖尿病学会では、合同でアドボカシー委員会を設立し、「糖尿病患者さんが健康な人と変わらない生活を送ることができる社会環境を構築していく」と宣言されています。糖尿病という病名・用語の見直しが積極的に話し合われることになりました。Yahooニュースでも取り上げられ、私も印象に残っています。
なぜスティグマが起こってしまうのか…?
ネット社会の現代において、あらゆる情報が溢れており、正しい情報もあれば誤った情報も多いのが現状です。
その中で何が正しくて誤っているのか自分自身で判断するのは難しいと思います。誤った知識や認識がスティグマを引き起こす要因になっていると思います。
これらのことから正しい知識を持ち、スティグマを起こさないような関わりや発言が大切になってくると考えます。
私たち医療者側の関わり方・発言が与えてしまうスティグマも実際にあるのが現状です。
例えば…
“糖尿病だから、甘いもの食べてはいけない” “太っているから糖尿病になる” “生活習慣病の一つだから、食生活も含めて乱れているのではないか” “HbA1c・血糖値が悪いのは食べすぎたのではないか” などなど
医療者側から与えられる、これらの偏見がスティグマを助長させ、本人の自尊感情や自己効力感の低下へと繋がってしまうのです!
現場だけのスティグマではなく、社会全体で正しい知識・理解を得られるような関わりが大切になっていきます。
うまくいかなくても責めるのではなく、目標や計画を一緒に見直しながら、その都度振り返る、そして患者さんに寄り添いながら、その人自身を知ることを私たち医療者がやらなければいけないことだと思います。
私も決めつけるのではなく、患者さんとともに一緒に考えることを念頭におきながら、治療支援をしていきたいと思っています!!
みんなで糖尿病のスティグマを解消し、アドボカシー活動を行うことでより働きやすい・生活しやすい環境となるよう、社会での働きかけも必要だと思います
正しい知識や認識を持ち、差別のない社会にしていきたいですね