COLUMN
医療コラム
小腸の病気は“見逃されやすい”——胃と大腸の間に潜む不調とは
尼崎市立花駅前のにしな内科で、消化器内科・内視鏡診療(胃カメラ・大腸カメラ)を担当している副院長の鍋嶋克敏です。
胃カメラで「問題ありません」
大腸カメラでも「異常なし」
それなのに、お腹の張り・痛み・貧血・下痢が続く——
こうした方は、実は少なくありません。
胃と大腸の検査が正常だった場合、その間に位置する“小腸”に原因がある可能性があります。
しかし、小腸は数メートルと非常に長く、検査手段が限られるため“消化管の中で最も見逃されやすい臓器”と言っても過言ではありません。
今回は、多くの患者さんが知らない 小腸の病気の特徴と検査の受け方 について解説します。

小腸は“暗黒地帯”——なぜ見つからないのか?
小腸は胃と大腸の間にあり、胃カメラでも大腸カメラでもほとんど見えません。
- 胃カメラ:十二指腸の入口まで
- 大腸カメラ:盲腸まで
小腸の約95%は直接観察できず、以下の理由から診断が難しくなります。
- 長く曲がりくねっている
- ガス・便・内容物が多く、画像が乱れやすい
- 病気の場所が特定しづらい
- 症状があいまい(張り・貧血・食欲低下 など)
したがって、小腸の病気は「他の検査では異常なし」と言われて初めて疑われることも多いのです。
小腸に起こる主な病気
① NSAIDs(痛み止め)による小腸潰瘍
ロキソニンなどのNSAIDsは胃だけでなく小腸にも潰瘍を作ることがあります。
原因不明の貧血や下痢として見つかることがあります。
② 小腸炎(感染性・虚血性)
細菌や薬剤、血流障害などが原因。
腹痛・発熱・下痢を繰り返すことがあります。
③ クローン病
若い方に多く、口から肛門までのどこにでも炎症が起こる可能性があります。
特に小腸に症状が出ると診断が遅れやすい病気です。
④ 小腸出血(血管拡張・腫瘍など)
原因不明の鉄欠乏性貧血の背景に、小腸の微小出血が隠れていることがあります。
⑤ 小腸腫瘍・GISTなど
頻度は高くありませんが、胃・大腸の検査が異常なしでも、お腹の不調や貧血が続く場合は注意が必要です。
小腸の病気が疑われるサイン
次のような症状は、小腸に原因がある可能性があります。
- 胃カメラ・大腸カメラが正常なのに症状が続く
- 治らない腹痛・お腹の張り
- 原因不明の鉄欠乏性貧血
- 黒っぽい便
- 体重減少
- 発熱や下痢を繰り返す
これらはいずれも特異的ではないため、見逃されやすい病気です。
小腸を調べる方法
① CT検査(造影CT)
小腸全体の形・むくみ・炎症の広がりを評価できます。
腸閉塞や虚血の有無、腫瘍の可能性を迅速に確認できるため、初期評価で非常に役立ちます。
② 小腸カプセル内視鏡(他院で実施)
飲み込むカメラで小腸の粘膜を観察。
ただし、
- 撮影に時間がかかる
- すべての病変が見えるわけではない
- 閉塞が疑われる場合は使用できない
など条件があります。
③ 小腸造影・MRI(MRエンテログラフィー)
粘膜だけでなく、小腸の壁全体・周囲の炎症も評価できます。
複数の検査を組み合わせることで診断精度が高まります。
■ 当院でできる小腸評価
にしな内科では、
- CT検査で小腸全体の形態・炎症・閉塞の有無を確認
- 血液検査で炎症・貧血・脱水の指標をチェック
- NSAIDs潰瘍や感染性腸炎などの鑑別
- 必要に応じて小腸カプセル/MR検査が可能な専門医療機関へ紹介
を行っています。
胃や大腸に異常がなくても、「やっぱり何かおかしい」と感じる方は、小腸を一度評価してみる価値があります。
■ まとめ
小腸の病気は、
“胃と大腸が正常だから大丈夫”とは言えない領域 です。
見逃されやすい理由は、
- 検査が難しい
- 症状があいまい
- 内視鏡で見えない
という小腸特有の事情によるものです。
原因不明の腹部症状や貧血が続く場合は、小腸の病気も疑って評価することが大切です。
「どこに行けばいいのか分からない」という段階でも構いません。
どうぞお気軽にご相談ください。
にしな内科
消化器内科・内視鏡診療
副院長 鍋嶋 克敏
にしな内科
JR神戸線立花駅を下車、駅直結の徒歩1分、雨にぬれずに来院できます。アクセス良好につき、神戸市、西宮市、芦屋市、伊丹市、大阪市など各方面からも多くの患者様にご来院頂いております。
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