COLUMN
医療コラム
CTでわかるお腹の病気——胃カメラ・大腸カメラでは見えない世界
尼崎市立花駅前のにしな内科で、消化器内科・内視鏡診療(胃カメラ・大腸カメラ)を担当している副院長の鍋嶋克敏です。
「胃カメラや大腸カメラでは異常なしと言われたのに、お腹の痛みが続く」
「健診では何も見つからなかったが、症状が治らない」
「腸の奥の病気はどう調べるのか知りたい」
こうした疑問を持つ方は多くいらっしゃいます。
実は、内視鏡では“見える範囲”が決まっており、それ以外の多くの臓器は見えていません。
胃カメラは食道〜胃〜十二指腸、大腸カメラは大腸のみであり、
小腸、膵臓、胆のう、腎臓、血管などは直接評価できません。
そこで重要な役割を果たすのが CT検査 です。
今回は、「CTだから見つかる病気」「内視鏡との使い分け」「クリニックでCTを導入する意味」について解説します。

CTは“体の奥を立体的に見る”検査
CT(Computed Tomography)は、X線を用いて体の断面を何層にも撮影し、臓器の位置・形・炎症・腫瘍・血管の状態まで立体的に把握できる検査です。
胃カメラ・大腸カメラが「粘膜の表面を見る」検査であるのに対し、
CTは臓器そのものの厚み・形の変化・周囲の炎症まで確認できる点が大きな違いです。
CTで見つかる“内視鏡では見えない”病気
① 膵臓の病気(膵炎・膵がん・膵嚢胞)
膵臓は体の奥にあり、内視鏡では直接見えません。
CTは膵臓評価に最も適した検査のひとつで、
- 膵炎の程度
- 膵がんの存在
- 嚢胞の大きさ
- 肝臓や血管への影響
などを立体的に把握できます。
② 胆のう・胆管の病気(胆のう炎・胆石・胆管拡張)
胆のう炎は発熱・右上腹部痛で受診される方が多く、
CTで炎症の広がり、胆管のつまりなどを詳しく評価できます。
③ 小腸の病気(腸閉塞・小腸炎・虚血)
胃カメラと大腸カメラの“間”は小腸ですが、
小腸は数メートルあり、内視鏡ではほとんど確認できません。
CTでは、
- 小腸のむくみ
- 閉塞の有無
- 壊死や虚血の兆候
などを迅速に発見できます。
④ 大腸の“壁の厚み”や周囲の炎症
大腸カメラは粘膜表面を観察する検査ですが、
CTは腸の壁全体の厚みや、周囲の脂肪の炎症まで把握できるため、
- 憩室炎
- 虚血性腸炎
- 腫瘍による外側からの圧迫
などが分かります。
⑤ 腎臓・尿管の病気(尿路結石・腎盂腎炎)
腹痛の原因として頻度が高い尿路結石は、CTが最も診断に優れています。
⑥ 腹部大動脈瘤などの血管病変
“お腹が痛い=胃腸の病気”とは限らず、
CTで血管の異常が見つかることもあります。
なぜCTが必要なのか?内視鏡との違い
| 検査 | 得意な領域 | 苦手な領域 |
| 胃カメラ | 胃・食道・十二指腸の粘膜 | 胃の外側・膵臓・小腸 |
| 大腸カメラ | 大腸粘膜・ポリープ | 壁の厚み・腸の周囲・小腸 |
| CT | 臓器全体・炎症・腫瘍・血管 | ごく小さな粘膜病変 |
補完し合うことで、診断精度が格段に高まります。
健診の異常なしでもCTが役立つ場面
健診はエコーと血液検査が中心ですが、それらでは見つからない病気があります。
- 胃もたれが続く → 膵臓・胆のうの評価が必要
- 便が細い、腹痛 → CTで憩室炎や閉塞を確認
- 血便 → 大腸カメラでは異常なし → 外側の圧迫がCTで見つかることも
- 体重減少 → 膵臓・小腸などの病変を検索
“原因不明のまま症状だけ続く”という場合にこそ、CTの価値が大きくなります。
当院のCTの特徴
にしな内科では、
- 外来ですぐ撮影できるため、診断までの時間が短い
- 低線量撮影に対応(被曝を最小限に)
- 消化器専門医による撮影条件設定と読影
を行っています。
急な腹痛の際にも当日中に評価が可能で、
必要に応じて基幹病院への迅速な紹介も行います。
まとめ
CTは、内視鏡では絶対に見えない“体の奥の世界”を評価できる、非常に重要な検査です。
- 胃カメラ・大腸カメラが正常でも症状が続く
- 健診では異常なしだが原因が分からない
- 膵臓・胆のう・小腸の病気を調べたい
こうしたケースでは、一度CTで全体を俯瞰することが診断への近道になります。
お腹の不調が長く続く方は、どうぞお気軽にご相談ください。
にしな内科
消化器内科・内視鏡診療
副院長 鍋嶋 克敏
にしな内科
JR神戸線立花駅を下車、駅直結の徒歩1分、雨にぬれずに来院できます。アクセス良好につき、神戸市、西宮市、芦屋市、伊丹市、大阪市など各方面からも多くの患者様にご来院頂いております。
副院長:鍋嶋 克敏 医師紹介