COLUMN
医療コラム
膵臓の検査はどう受ける?エコー・CT・MRIの違いと使い分け
尼崎市立花駅前のにしな内科で、消化器内科・内視鏡診療(胃カメラ・大腸カメラ)を担当している副院長の鍋嶋克敏です。
「膵臓の検査は何を受けたらよいですか?」
「健診のエコーで“膵臓がよく見えません”と言われました」
「背中の痛みや体重減少が気になる」
こうした相談は年々増えています。
膵臓は“沈黙の臓器”とも呼ばれ、早期の病気が見つかりにくい臓器です。
今回は、膵臓の検査方法と、それぞれの得意分野・限界について、分かりやすくまとめました。

なぜ膵臓の病気は見つかりにくいのか?
膵臓は胃・十二指腸・小腸・肝臓に囲まれるように位置しており、体の奥深くにあります。
この解剖学的位置により、
- 血液検査が正常でも病気が隠れていることがある
- エコーは腸のガスで見えにくい
- 症状が出にくく、出るころには進行している
といった問題が生じます。
さらに厄介なのは、膵がんの初期症状が「食欲不振」「体重減少」「なんとなく胃が重い」など、他の消化器症状と区別がつきにくい点です。
膵臓の主な病気
① 膵がん
早期発見が最も難しいがんのひとつ。
背中の痛み、急な糖尿病悪化、体重減少がヒントになることがあります。
② 膵嚢胞(のうほう)
高齢者に多い。多くは良性だが、種類によっては定期的な画像フォローが必要。
③ 慢性膵炎
飲酒や喫煙が大きな要因。進行すると腹痛や消化不良、糖尿病を引き起こすことがあります。
これらの病気を早期に疑うためには、適切な検査の選択が重要です。
膵臓の検査①:腹部エコー(超音波)
【メリット】
- 体への負担が少ない
- 放射線なし
- クリニックでも手軽に実施できる
【限界】
- 腸のガスに遮られて膵臓が見えにくい
- 肥満体型ではさらに描出が困難
- 十分に観察できる人とできない人の差が大きい
健診で「膵臓がよく見えませんでした」と言われるのは、技術不足ではなく“構造的に見えにくい臓器”だからです。
膵臓の検査②:CT
膵疾患の評価で最もよく用いられます。
【メリット】
- 腸管ガスの影響を受けにくく、膵臓全体を立体的に評価できる
- 膵がんの広がり、リンパ節、他臓器への浸潤を確認しやすい
- 急性膵炎・膵壊死・総胆管結石などの診断に有用
【限界】
- 造影剤を使用しないと詳細な病変の確認は困難
- 放射線被曝がある
当院では一般的な腹部CTに加え、低線量撮影に対応しており、被曝を抑えながら膵臓・肝臓・胆のうを含めた腹部全体を評価できます。
■ 膵臓の検査③:MRI(MRCP)
膵臓・胆道系の中でも「管(膵管・胆管)」を調べるときに特に強い検査です。
【メリット】
- 膵嚢胞の性状評価に適している
- 膵管の細かな拡張を検出しやすい
- 放射線被曝なし
【限界】
- 体内に金属のある方は注意
- 撮影時間が長い
- 造影CTほど急性期の炎症の広がりはわかりにくい
クリニックレベルではMRIは行えないことが多く、必要に応じて専門病院での検査となります。
■ 膵臓の検査④:内視鏡的超音波(EUS)
胃カメラに超音波を搭載した“特殊内視鏡”。
【特徴】
- 膵臓に最も近い位置から観察でき、小さな腫瘍を捉えるのが得意
- 膵がんの早期診断に欠かせない
- 生検(組織採取)も可能
当院ではEUSは行っていませんが、必要時は速やかに専門施設へ紹介可能です。
■ 健診で膵臓が見落とされやすい理由
- エコーが構造上「見えにくい臓器」である
- 腫瘍ができても初期症状が乏しい
- 腹痛より「だるさ」「食欲低下」が先に出ることもある
- 血液検査(アミラーゼ・リパーゼ)が正常なケースも多い
つまり「エコー異常なし=膵臓は大丈夫」というわけではありません。
■ どんな症状が危険信号?
次の症状がある場合は、膵臓の検査を勧めます。
- みぞおち〜背中に抜ける痛み
- 食欲低下が続く
- 急な体重減少
- 黄疸(目が黄色くなる)
- 血糖値が急に悪化した
- 脂っこいものが食べられなくなった
特に「背中側に響く痛み」は重要なヒントです。
■ にしな内科でできること
- 腹部超音波(膵の描出可能範囲の確認)
- 血液検査(膵酵素、肝胆道系酵素)
- CT検査で膵臓全体・周囲臓器を詳細に評価
- 必要時はMRI/EUSが可能な専門病院へ連携紹介
“まず膵臓がどうなっているか確認したい”という段階でも構いません。
■ まとめ
膵臓は人体の中でも最も“見えにくい臓器”のひとつです。
そのため、エコー・CT・MRIの特徴を理解し、症状や目的に応じて検査を使い分けることが大切です。
当院では、CTによる膵臓評価や、健診後の精査を丁寧に行っています。
膵臓に関する不安や、気になる症状があれば、どうぞ気軽にご相談ください。
にしな内科
消化器内科・内視鏡診療
副院長 鍋嶋 克敏
にしな内科
JR神戸線立花駅を下車、駅直結の徒歩1分、雨にぬれずに来院できます。アクセス良好につき、神戸市、西宮市、芦屋市、伊丹市、大阪市など各方面からも多くの患者様にご来院頂いております。
ご予約はこちらから
副院長:鍋嶋 克敏 医師紹介
ドクターズファイル(院長・副院長の独自取材)