COLUMN
医療コラム
みぞおち痛+背中の痛み——急性膵炎かも?アルコール・胆石との関係とCTの役割
尼崎市のにしな内科です。
「みぞおちが強く痛い」「背中まで痛む」「前かがみになると少し楽」——このような症状で鑑別に挙がる代表が急性膵炎です。
膵炎は軽症で済むこともありますが、重症化すると入院治療が必要になることがあり、早めの評価が重要です。
ここでは、急性膵炎の典型症状、原因(アルコール・胆石など)、検査(採血・CT)、受診の目安を整理します。

急性膵炎とは?
膵臓(すいぞう)に急性の炎症が起こる病気です。
膵臓は消化酵素を作る臓器で、炎症が強いと全身に影響しやすく、症状が強く出ることがあります。
症状の特徴:みぞおち+背中の痛み
典型的な症状
- みぞおち(上腹部)の強い痛み
- 背中(背部)への放散痛
- 吐き気・嘔吐
- 食欲低下
- 体を丸めると少し楽、仰向けで悪化することがある
ただし、痛みの感じ方は個人差があり、胃腸炎・胆石発作・胃潰瘍などでも似た痛みが出るため、症状だけで確定はできません。
原因で多いのは「胆石」と「アルコール」
1)胆石(胆石性膵炎)
胆のうや胆管の石が、膵液の出口付近に影響して膵炎を起こすことがあります。
右上腹部痛、黄疸(目や皮膚が黄色い)、尿が濃いなどが伴うと胆道系の関与を疑います。
2)アルコール
飲酒量が多い方で起こり得ます。毎日多量でなくても、体質や飲み方で影響することがあります。
3)そのほか
脂質異常(高トリグリセリド血症)、薬剤、感染、原因不明などもあります。
受診の目安:こういう時は早めに(場合により救急)
次があれば、当日中の受診(夜間なら救急)を検討してください。
- 痛みが強く続く(我慢できない)
- 吐き気・嘔吐で水分がとれない
- 発熱
- ぐったりする、冷汗、息苦しい
- 黄疸、尿が濃い(胆道閉塞の可能性)
- 持病が多い、高齢、免疫抑制中
検査は何をする?
1)採血(膵酵素+炎症)
膵炎の診断には、膵酵素(アミラーゼ、リパーゼなど)や炎症反応、肝胆道系酵素の評価が重要です。
ただし、膵酵素はタイミングで上がり方が変わることがあり、総合判断します。
2)腹部エコー(胆石チェックに有用)
胆石の有無、胆道の拡張などを確認します。膵臓は見えにくいこともあります。
3)CT(重症度評価・鑑別に重要)
急性膵炎では、CTが診断や重症度評価、合併症(膵周囲の炎症、液体貯留など)の確認に役立ちます。
とくに症状が強い場合や経過で悪化が疑われる場合は重要です。
治療の基本(外来で済むか、入院か)
膵炎の治療は、重症度で変わります。
- 軽症:状態によっては外来で経過をみることもありますが、基本は慎重に判断します
- 中等症以上:点滴、絶食、鎮痛、原因治療(胆石性なら胆道処置検討)など、入院治療が必要になります
膵炎は「最初は軽そうに見えても、後から悪化する」こともあるため、自己判断での放置は避けてください。
再発予防:原因をつぶすのが最重要
- 胆石が原因:胆のう治療(手術など)や胆道評価が必要になることがあります
- アルコールが原因:飲酒量の調整(可能なら禁酒)が重要
- 脂質が原因:中性脂肪の管理、食事・薬物治療
よくある質問(Q&A)
Q1. 胃腸炎と膵炎、どう違うの?
A. 嘔吐や腹痛はどちらもあり得ますが、膵炎は「みぞおちの強い痛み+背中への放散痛」が特徴的です。ただし症状だけで確定できないため、採血と画像で判断します。
Q2. 少し痛いだけなら様子見していい?
A. 軽い痛みでも、続く・悪化する・吐き気が強い場合は受診をおすすめします。膵炎は悪化すると治療が大きくなるため、早めの評価が安全です。
Q3. CTは必ず必要?
A. 症状や採血、疑う病態で判断します。軽症が疑われる場合はまず採血・エコー中心で進め、必要ならCTを追加する考え方になります。
Q4. 食事はどうしたら?
A. 強い痛みや吐き気がある時は無理に食べず、早めに受診してください。自己判断で食事を続けると悪化することがあります。
まとめ
- みぞおち痛+背中の痛みは 急性膵炎の典型症状の一つ
- 原因は 胆石とアルコールが代表
- 評価は 採血(膵酵素)+エコー+必要ならCT
- 強い痛み、嘔吐、発熱、黄疸があれば 当日受診(救急含む)
にしな内科(尼崎市立花駅前)
消化器内科・内視鏡診療
副院長 鍋嶋 克敏
にしな内科
JR神戸線立花駅を下車、駅直結の徒歩1分、雨にぬれずに来院できます。アクセス良好につき、尼崎市、神戸市、西宮市、芦屋市、伊丹市、大阪市など各方面からも多くの患者様にご来院頂いております。
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