COLUMN
医療コラム
のどのつかえ・胸のしみる感じ——逆流だけじゃない?食道の病気と受診の目安
尼崎市のにしな内科です。
「のどに何か引っかかる」「胸がしみる」「飲み込むと違和感がある」——こうした症状は、いわゆる逆流性食道炎(胃酸の逆流)でよく見られますが、実はそれだけではありません。
食道の炎症、薬剤による食道障害、けいれん、狭窄(通り道が狭くなる)、まれに腫瘍など、原因は幅広く、“様子見してよい症状”と“早めに確認すべき症状”を分けることが重要です。

症状の言い方でよくあるパターン
- のどがつかえる、飲み込みにくい(嚥下時の違和感)
- 胸やけ、胸が焼ける、胸がしみる
- 酸っぱいものが上がる(呑酸)
- のどのイガイガ、咳が続く、声がれ
- 食後や寝る前に悪化する
「のど」の症状でも、原因が食道〜胃にあることは珍しくありません。
まず多い原因:逆流性食道炎(GERD)
胃酸が食道へ逆流し、食道粘膜が荒れる状態です。
悪化しやすい要因
- 食べ過ぎ、脂っこい食事
- 夜遅い食事、食後すぐ横になる
- 肥満、腹圧が高い状態(便秘、前かがみ姿勢など)
- アルコール、喫煙
逆流性食道炎は薬(胃酸を抑える薬)で改善することが多い一方、症状だけで確定はできません。
逆流以外で見逃したくない原因
1)食道炎(感染・好酸球性など)
アレルギー体質の方にみられるタイプ(好酸球性食道炎)や、免疫状態によって感染性の食道炎が関与することもあります。
2)薬剤性食道炎(“薬が食道で止まる”)
錠剤を少ない水で飲んだり、飲んですぐ横になったりすると、薬が食道に張り付いて炎症を起こすことがあります。
「飲み込んだ瞬間から胸が痛い」「飲むとしみる」などがヒントです。
3)食道けいれん・機能性疾患
検査で大きな異常がなくても、食道の動きの異常で胸痛やつかえ感が出ることがあります。
4)狭窄(通り道が狭くなる)・腫瘍性病変
「固形物が通りにくい」「だんだん悪化する」「体重が減る」などは要注意です。
早めの内視鏡評価が必要になります。
ここは要注意:早めに受診したいサイン(レッドフラッグ)
次がある場合は、逆流の自己判断で様子見せず、早めに医療機関へご相談ください。
- 食事が通らない、飲み込みが明らかに悪い
- 症状が進行している(だんだん悪化)
- 体重減少、食欲低下
- 吐血、黒い便(出血の可能性)
- 強い胸痛、息苦しさ(まず心臓の評価が必要な場合も)
- 貧血を指摘された
- 50歳以降で新しく症状が出てきた、または長く続く
受診後に行う評価:まずは胃カメラ
1)問診で確認すること
- いつから、どのタイミングで悪化するか(食後/夜間/姿勢)
- 固形物だけ?水分も?(狭窄のヒント)
- 服薬状況(錠剤の飲み方、市販薬含む)
- アレルギー体質、喘息、鼻炎の有無(好酸球性食道炎のヒント)
2)胃カメラ(上部消化管内視鏡)
食道炎の程度、狭窄の有無、腫瘍性病変の有無、胃側の状態(胃炎や潰瘍、食道裂孔ヘルニアなど)を確認します。
必要に応じて生検を行います。
自分でできる工夫(逆流が疑わしい場合)
- 寝る前2〜3時間は食べない
- 食べ過ぎを避ける、脂っこい食事を控える
- 便秘の改善(腹圧を下げる)
- 枕を少し高めにする(上半身を上げる)
- 体重管理、禁煙
※ただしレッドフラッグがあれば、セルフケアより検査優先です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 胸やけなら市販薬で様子見してもいい?
A. 一時的に軽くなることはありますが、長引く場合や、飲み込みにくさがある場合は原因が逆流以外のこともあるため、受診をおすすめします。
Q2. PPI(胃酸を抑える薬)で良くならないのはなぜ?
A. 逆流以外(薬剤性・好酸球性・狭窄・機能性など)の可能性があります。また、内服のタイミングや生活要因で効果が出にくいこともあります。内視鏡で評価すると整理しやすくなります。
Q3. のどの違和感だけでも胃カメラは必要?
A. 生活背景や症状の経過によります。特に、長引く、悪化する、体重減少を伴う場合は確認をおすすめします。
Q4. 鎮静下で検査できますか?
A. 不安が強い方には鎮静下での胃カメラを検討します。安全に受けるための注意点も合わせてご説明します。
まとめ
- のどのつかえ・胸のしみる感じは、逆流性食道炎が多いが 原因は多彩
- 飲み込みが悪化、体重減少、出血サインなどは早めの受診が必要
- 原因の整理には 胃カメラが有用
- 逆流が疑わしい場合は、食事時間・姿勢・便秘・体重などの工夫も効果的
にしな内科(尼崎市立花駅前)
消化器内科・内視鏡診療
副院長 鍋嶋 克敏
にしな内科
JR神戸線立花駅を下車、駅直結の徒歩1分、雨にぬれずに来院できます。アクセス良好につき、尼崎市、神戸市、西宮市、芦屋市、伊丹市、大阪市など各方面からも多くの患者様にご来院頂いております。
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副院長:鍋嶋 克敏 医師紹介
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