COLUMN
医療コラム
健診で肝機能(AST/ALT)高いと言われたら——脂肪肝だけ?原因の整理と精査の流れ
尼崎市のにしな内科です。
健診で「肝機能が高い(AST/ALTが上がっている)」と指摘されても、症状がないことが多く、「とりあえず様子見でいいのかな」と迷いがちです。
実際、原因の多くは脂肪肝ですが、お酒・薬・ウイルス・自己免疫など別の原因が隠れていることもあり、放置すると将来的に肝硬変や肝がんリスクにつながるタイプもあります。
ここでは、肝機能異常の“整理の仕方”と、受診後に何を確認するかをまとめます。

まず知っておきたい:AST/ALTって何?
- ALT(GPT):肝臓の細胞が傷むと上がりやすい(肝由来が強い)
- AST(GOT):肝臓以外(筋肉など)でも上がることがある
- γ-GTP:アルコール、胆道系の影響などで上がりやすい
健診の紙では「肝機能」と一括で書かれますが、どの項目が、どれくらい上がっているかが重要です。
よくある原因ベスト3(ただし“脂肪肝だけ”とは限りません)
1. 脂肪肝(NAFLD/MASLDなど)
体重増加、内臓脂肪、糖尿病・脂質異常がある方に多い原因です。
脂肪肝の一部は、肝炎が進んで線維化(硬くなる)を起こすことがあり、将来的に肝硬変へ進むことがあります。
2. アルコールの影響
「毎日飲む」「週末にまとめて飲む」でも肝機能に影響します。
γ-GTPが上がりやすいですが、飲み方や体質でパターンは様々です。
3. 薬剤性(内服・サプリ含む)
痛み止め、抗菌薬、漢方、サプリなどでも起こることがあります。
「最近飲み始めたもの」「市販薬・サプリ」も重要な情報です。
見逃したくない原因(頻度は低いが重要)
- ウイルス性肝炎(B型/C型):無症状でも進行することがある
- 自己免疫性肝炎:放置で進行することがあり、治療が必要
- 胆道系の異常(胆石・胆管炎など):胆道系酵素が上がることがある
- 筋肉由来(激しい運動、筋肉痛など):AST優位に上がることも
ここは要注意:早めに受診したいサイン
健診だけでなく、次がある場合は早めにご相談ください。
- 黄疸(皮膚や白目が黄色い)
- 尿が濃い、便が白っぽい
- 強い倦怠感、食欲低下、発熱
- 数値が高い(例:AST/ALTが明らかに高値、前回より急に上がった)
- 肝機能異常が繰り返し出ている
受診後の流れ:何を確認する?
1)問診(ここが診断の半分)
- 体重変化、運動、食習慣
- 飲酒量(週あたり、休肝日の有無)
- 服薬・サプリ・漢方
- 家族歴、輸血歴、刺青、針治療歴など(肝炎リスク確認)
- 直近の激しい運動(筋肉由来の可能性)
2)採血(原因の切り分け)
肝炎ウイルス、自己免疫、胆道系、糖代謝、脂質などを組み合わせて確認します。
「脂肪肝っぽいから終わり」ではなく、除外すべきものを除外するのがポイントです。
3)腹部エコー(脂肪肝・胆のう・胆管チェック)
脂肪肝の有無、胆石、胆のう・胆管の異常などを確認します。
4)必要によりCT/MRI、線維化評価
脂肪肝が疑われる場合でも、進行度(線維化)が問題になることがあります。リスクが高い方は追加評価を検討します。
生活改善は何から始める?
脂肪肝が関与していそうな場合、基本は「体重」と「代謝」の改善です。
- 体重:まずは3〜5%減でも肝機能が改善することがあります
- 甘い飲料・間食を減らす(最優先)
- 夕食を遅くしすぎない、主食量の調整
- 有酸素運動+筋トレを無理ない範囲で継続
- 飲酒は量と頻度を見直す(可能なら休肝日)
※数値や合併症(糖尿病・脂質異常)により、目標設定は個別に調整します。
よくある質問(Q&A)
Q1. 肝機能が少し高いだけなら放置でいい?
A. 1回だけの軽度上昇は経過を見ることもありますが、繰り返す場合や、生活習慣病がある場合は脂肪肝が背景にあることが多く、将来のリスク評価も含めて一度整理するのがおすすめです。
Q2. お酒は「毎日じゃない」から大丈夫?
A. 週末にまとめて飲む“ドカ飲み”でも影響します。量と頻度で評価します。
Q3. ALTだけ高いのは何が多い?
A. 肝由来が強いので脂肪肝が多い一方、ウイルスや薬剤性などもあり得ます。採血で切り分けます。
Q4. どれくらいで再検査したらいい?
A. 数値の高さと背景で変わります。一般に生活改善を始めたら、1〜3か月で再評価することが多いです(医師の指示に従ってください)。
まとめ
- 肝機能異常の原因は脂肪肝が多いが、お酒・薬・ウイルス・自己免疫も確認が必要
- 黄疸、強い倦怠感、急な高値は早めに受診
- 受診後は 問診+採血+腹部エコーで切り分け、必要なら追加評価
- 脂肪肝が疑われる場合は、まず 体重・食習慣・飲酒の見直しが効果的
にしな内科(尼崎市立花駅前)
消化器内科・内視鏡診療
副院長 鍋嶋 克敏
にしな内科
JR神戸線立花駅を下車、駅直結の徒歩1分、雨にぬれずに来院できます。アクセス良好につき、尼崎市、神戸市、西宮市、芦屋市、伊丹市、大阪市など各方面からも多くの患者様にご来院頂いております。
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