BLOG院長&スタッフブログ

2022.09.13秋の気配

2022.9.13  スタッフブログ 8回目

皆さん、こんにちは~♬

 

9月に入り、秋の気配が感じられるようになりました(^^)/

先日中秋の名月でしたが、天候の変化であまりよく見えなかったですよね(>_<)

まだまだ暑い日もありますが、ようやく過ごしやすくなってたのではないでしょうか?

来月には当院は開業して1年が経ちます。1年早いものですね…

 

前々回、糖尿病患者の災害時のポイントで、

“高血糖・低血糖への対処”についてお話させていただきましたが、読んでいただけましたか???

 

これからは台風の季節となり 、もうすでに沖縄周辺は台風が発生し、         

外出困難な状況が続き、停電もしているとニュースで見ます。

いつ自分たちが避難生活を余儀なくされる状況下になってもおかしくはありません。

 

 

今回は“糖尿病患者の避難生活の注意点”についてお話していきますね。                                                                                                                                                                                                                                                                   

避難中の生活は、食料や飲料水の供給が不足し、脱水を起こしやすくなります。

脱水は高血糖を助長し、糖尿病ケトアシドーシスや、抹消血管障害などのリスクを高めてしまいます。

また環境・身体の清潔を保つことが困難な状況が続き、感染症を発症しやすくなってしまいます。

 

私たち医療従事者が目標としているのは

〇脱水を起こさない

〇感染症を起こさない

〇深部静脈血栓を起こさない

〇足病変を起こさない

〇合併症を発症・増悪させない

 

上記5つを目標に観察し

対処していく必要があると考えています。

<脱水予防>

●観察項目

脱水症状の有無(口渇感・倦怠感・乾燥)、血糖値、意識レベル

排泄状況、食事摂取量、飲水量

●対処・指導方法

トイレ環境の問題から、水分を控える傾向にあるため、こまめに水分補給をするよう促す。

脱水症状があり、経口摂取ができない時は救急対応が必要!!

         

 

<感染予防> ☆糖尿病患者は感染症に罹患しやすく、重篤化しやすいので注意!!

●観察項目

肺炎、上気道感染、胃腸炎、尿路感染、歯周病、外傷による創感染症状の有無、感染に伴う高血糖症状

●対処・指導方法

手指衛生、うがい、歯みがき、義歯洗浄、マスク着用を行う。

ウェットティッシュやおしりふきを有効に利用し体を拭く。

他者への感染の可能性が高い場合は、拡大予防対策・環境調整は必要。

患者・家族への心理的ケアを十分考慮。

 

                         

 

 

<深部静脈血栓症予防>

●観察項目

活動状況、水分摂取状況、血糖値、塞栓症状、就寝時の状況(車中泊など)

●対処・指導方法

定期的に体を動かす(散歩やラジオ体操をする、

座ったままでも足のつま先や足首を動かすように指導する)⇒これ大事!!

ゆったりとした服装で過ごし、こまめに水分補給をすること

車中泊の場合は、足を上げて寝るようにする

                      

 

 

<足病変予防>

●観察項目

足の状態(外傷・汚染・足底・趾間)、浮腫の有無、神経障害による知覚障害の有無、

血流障害の有無(足背動脈蝕知)、感染兆候の有無、どのような履物や靴下を履いているか、

血糖値、フットケアの知識を実践状況

●対処・指導方法

外傷に注意したり、足の観察をするよう指導、冬季は使い捨てカイロによる低温やけどに注意必要、

可能な範囲で足の清潔を保つようにする、外傷・足潰瘍が発生したら、速やかに処置をする

            

 

避難生活をしている中で車中生活をしている被災者の方も多いと思います。

先ほど深部静脈血栓症予防のところでもお話しましたが、定期的に体を動かすことが大切です。

⇒定期的に外に出て、手足を伸ばして体を動かすこと!夏場は熱中症予防のため、高温の車

内では長時間過ごさないように気を付けましょう

           

 

災害発生時は、限られた資源の中で診察をおこなう必要があります。

 

糖尿病の方々にとって、血糖コントロールは大切なことではありますが、

その前に災害時はいつ食事がとれるのかという不安もありますよね。

その中でいかに糖尿病と向き合いながら避難生活を送るのかが重要になってきます。

 

病気を抱えながら、避難生活を送ることは簡単なことではなく、

不安や心配で眠れなくなることもあるのではないでしょうか。

そういった不安を一人で抱えるのではなく、医療従事者に声をかけてください。

私たち医療従事者は、そのように困っている患者さんに一人ひとり向き合い、サポートしていくことが大切と考えています。